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腎盂尿管移行部狭窄症

Ureteropelvic Junction Stenosis

解説:畑中 祐二 (富田林病院 泌尿器科副部長)

腎盂尿管移行部狭窄症はこんな病気

腎盂尿管移行部狭窄症は、腎臓から尿管に流れ出す部分(腎盂尿管移行部)が先天的・後天的に狭くなって、尿の流れが悪くなることをいいます。これによって腎盂内に尿が充満し、はれて腎臓の機能が障害される病態を水腎症といいます。腎盂尿管移行部の筋肉繊維の異常や結合組織の異常、腎臓へ行く血管の走行位置の異常などで起こることが多いといわれています。

腎盂尿管移行部狭窄症
腎盂尿管移行部狭窄症

腎盂尿管移行部狭窄症の診断

超音波検査や核医学(アイソトープ)検査で、尿路通過障害の程度や分腎機能(左右の腎機能の差)などを評価します。さらに狭窄部位の形・長さ・正確な位置を確認するために、幼児・小児など(成人未満)は手術前に全身麻酔下で膀胱鏡(膀胱の中を観察するカメラ)で膀胱内を観察します。そして、膀胱と尿管のつなぎ目(尿管口)から細いチューブを入れて、造影剤を注入してレントゲンで確認します(成人の場合は局所麻酔下で行うこともあります)。

腎盂尿管移行部狭窄症の治療法

自然に軽快することもありますが、腎盂腎杯の拡張(水腎症)が高度であったり、腰背部痛が持続的に発症したり、通過障害が強く腎機能の低下を認める場合には手術治療が必要です。全身麻酔をかけて狭窄部分を切除し、腎盂と尿管を形よくつなぎなおす手術(腎盂形成術)を行います。乳幼児では2~3cm 程度の小切開での手術が主流です。小児・成人では創が小さく術後回復の早い体腔鏡下手術が行われますが、狭窄部位の状況によっては開腹手術で行うこともあります。

腎盂形成手術
腎盂形成手術

早期発見のポイント

出生前に行われる超音波検査(腎エコー)で指摘される場合が多いですが、学童期以後に腰背部痛や発熱などで見つかることもあります。 症状が出ないこともあるため、他の病気の検査中にCTや超音波検査などで偶然に見つかることもあります。

医学解説で述べたように発見されても自然に軽快することもありますが、気になる症状がある場合は早めに受診して検査を受けましょう。

予防の基礎知識

腎盂尿管移行部狭窄症になると、小さい腎臓結石でも嵌頓(かんとん/臓器にはまりこむこと)して、疝痛(せんつう/急な腰痛・腹痛)発作の原因になります。そのため、日常生活で結石ができないように予防することも大切です。例えば、水分摂取の目安として、尿量が1日に体重×30cc以上(体重60kgの場合は1800cc以上)になるように意識することが予防につながります。

畑中 祐二

解説:畑中 祐二
富田林病院
泌尿器科副部長

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