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たこつぼ型心筋症

Takotsubo Cardiomyopathy

解説:野副 純世 (福岡総合病院 循環器内科部長)

たこつぼ型心筋症はこんな病気

たこつぼ型心筋症とは、突然、何の前触れもなしに、胸痛や息切れなどの症状が出現する心臓の病気です。心臓の血管(冠動脈)が急に閉塞する急性心筋梗塞に似た症状であるため、しばしば鑑別(可能性のある複数の病気を比較し、合理的に特定すること)が必要になります。心筋梗塞と同じような心電図変化がみられ、心臓のポンプの働きも部分的に悪くなります。冠動脈の血流に問題ないことを確認することで、心筋梗塞ではなく、たこつぼ型心筋症と診断されます。

たこつぼ心筋症における左室造影

上図のように、収縮期の心臓の動きが局所的に悪くなり、その形態が「たこつぼ」に似ていることから「たこつぼ型心筋症」と名付けられています。心臓の収縮機能が低下するため、心不全を発症することもありますが、多くは時間経過とともに回復し、正常化します。

たこつぼ型心筋症の診断と治療法

前述のように、急性心筋梗塞との鑑別が重要となります。心電図や心エコーだけでは区別できないため、心臓カテーテル検査にて冠動脈の血流に問題がないことを確認して初めてたこつぼ型心筋症と診断します。

特定の治療法はありませんが、ほとんど自然経過とともに回復します。ただし、心臓の動きが悪くなって、経過中に心不全や重篤な不整脈を合併することがありますので、それらに対する対症療法を行います。

早期発見のポイント

前触れなく起きるため早期に発見しづらい病気ですが、胸痛や息切れなどは、急性心筋梗塞と同様の症状であり、緊急に精密検査をする必要があります。これらの症状が出現したら、すぐに近くの医療機関を受診しましょう。

予防の基礎知識

突然発症することが多く、健康診断などで事前に予知、予防することは困難です。
一般的には、強いストレスや激しい情動を契機に引き起こされることが多く、大きな震災などの後にも発症者数が増加するとの報告もあります。また、発症者の割合は50歳以上の女性が多く、この世代の女性は特に、ストレスや疲労に注意しましょう。
なお、心筋梗塞の危険因子として知られる喫煙や糖尿病高血圧脂質異常症(高脂血症)といった生活習慣病との関連はないと考えられています。

野副 純世

解説:野副 純世
福岡総合病院
循環器内科部長

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