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ばね指

Snapping Finger

解説:亀山 真 (済生会中央病院 整形外科担当部長)

ばね指はこんな病気

手指には指の関節を曲げる屈筋腱(くっきんけん)と、指の基部でこれを包みながら腱の跳ね上がりを抑えている腱鞘があります。このうち腱鞘が何らかの原因で厚みを増すと、次第に屈筋腱が腱鞘により周りから締め付けられて、腱の動きが悪くなります。屈筋腱自体が太さを増して、腱鞘の中を通りにくくなっている場合もあります。典型的には腱が腱鞘にひっかかり、指に力を入れた際にひっかかりがはずれ、これがあたかもばねが弾けた状態を呈す所見が特徴で、通称ばね指といわれています。

一般には、いわゆる手の使い過ぎで発生しますが、性別では女性に多く、中でも産前・産後・更年期の女性に多発することで、女性ホルモンとの関連が考えられています。その他、糖尿病でも多発する傾向があります。

ばね指はこんな病気

ばね指の治療法

手指のひっかかりやこわばりの症状を自覚するようになったら、まず40℃前後のお湯の中で手指の屈伸運動を行います。できれば1日3回に分けて10~20分ずつ行ってください。もし時間がなければ、起床後だけでもこの運動を行うようにしましょう。これで症状が改善しない場合は、ステロイドの懸濁液に麻酔薬を混ぜたものを腱鞘内に注入します。重症度にもよりますが、これにより6割程度の人は半年以上の間、症状の寛解が得られます。もしこれを行っても効果が乏しい場合は、手術で腱鞘を切開ないしは切除するようにします。

早期発見のポイント

一般には指を曲げにくい、あるいは手のひらの末梢(各指の根元から約1cm近位までの間)に痛みを感じることから始まります。早朝に腱や腱鞘のむくみが強いことが多いので、起床時にこれらの症状があれば、初期症状の可能性が考えられます。

予防の基礎知識

まず、日常生活でキーボードを打ち続けているのであれば、これの時間を短くし安静をとる、重い手提げかばんを持ち続ける習慣があれば、かばんを肩にかけるものに替える、といった配慮が必要です。「早期発見のポイント」で述べたような症状を自覚した場合は、まず40℃前後のお湯に10分程度手を浸して、指の屈伸を繰り返すことが有効です。寒い時期に発症した場合は、外出時に手袋をはめて保温を図るようにします。糖尿病であれば、血糖のコントロールに気をつけることも重要です。

亀山 真

解説:亀山 真
済生会中央病院
整形外科担当部長

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