ホーム >  症状別病気解説 >  副鼻腔炎

副鼻腔炎

Sinusitis

解説:小池 忍 (京都府病院 耳鼻咽喉科)

副鼻腔炎はこんな病気

鼻の中は「鼻腔」と「副鼻腔」とで構成されています。副鼻腔炎とは、鼻腔の周りにある副鼻腔が炎症を起こす病気です。副鼻腔は、顔の左右にそれぞれ4個ずつ、合計8個あり、その中には空気が入っていて、小さな穴で鼻腔とつながっています。副鼻腔の表面には薄い粘膜があり、粘液を出しています。さらに、線毛という小さな毛がたくさん生えていて、粘液を鼻腔のほうへ押し出す役割を果たしています。

鼻腔と副鼻腔の図
鼻腔と副鼻腔の図

副鼻腔炎の種類と症状

副鼻腔炎には、「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」とがあります。
急性副鼻腔炎は、主に細菌やウイルス感染が原因で起こり、症状は1カ月ほどで治まります。風邪などで細菌やウイルスに感染すると、鼻腔が炎症を起こして鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴がふさがることがあります。穴がふさがると、鼻腔への粘液排出がうまくいかなくなり、副鼻腔内の粘液に細菌やウイルスが繁殖して膿がたまり、急性副鼻腔炎を引き起こします。副鼻腔の中で膿がたまると、腫れて眼や頬のあたりに痛みを感じるといった症状が出ます。また、膿が鼻水と一緒に出てくるため、透明ではない黄色のネバネバとした鼻水が出るという特徴があります。
一方、慢性副鼻腔炎とは、急性副鼻腔炎が長引いたり繰り返されたりして、その症状が3カ月以上続く副鼻腔炎のことを指します。

近年話題になっている副鼻腔炎で、「好酸球性副鼻腔炎」というものがあります。好酸球とは、アレルギー性鼻炎喘息などアレルギー反応に関わる白血球の一種です。アレルギーを持つ人がかかりやすく、効果の高い薬はステロイドのみですが、ステロイド治療を止めると元に戻ってしまう傾向が強いのが特徴です。近年、アレルギー性鼻炎患者の増加によって、好酸球性副鼻腔炎を発症する人が増えてきていますが、根治が難しく、現在も研究が続けられています。

副鼻腔炎の診断

副鼻腔炎の診断は、鼻の中をカメラでのぞいて副鼻腔から膿の流出を確認することで行います。診断がつくと、その時点で抗菌薬による治療を開始します。約2週間様子をみてもよくならない場合は、CTやレントゲンを使って程度や範囲を確かめます。

副鼻腔炎の治療法

急性副鼻腔炎の治療には、抗菌薬を使用します。通常、2週間程度服用を続ければ完治しますが、それでも治らず症状が3カ月以上続く場合は、慢性副鼻腔炎と診断されます。慢性副鼻腔炎になると、マクロライド系の抗菌薬を少量ずつ飲み続ける治療を行うことがあります。この薬は、細菌を殺す作用のほかに、粘膜の炎症を抑える作用があるといわれています。合わせて、線毛による排出機能を高めるために去痰剤を使用します。その他の治療法としては、鼻の中を洗って膿を出し、できるだけ膿を残さないようにする「鼻洗浄」という方法があります。それでも改善されない場合には、詰まっている穴を広げて、中の膿を吸い出す手術を行います。

早期発見のポイント

副鼻腔炎では、風邪やアレルギー性鼻炎の際に出るサラサラとした透明の鼻水ではなく、黄色の粘性のある鼻水が出ます。また、黄色の痰が出る、仰向けに寝ると痰がのどの後ろに落ちてくるといった症状もあります。虫歯やカビの発生が、副鼻腔炎を引き起こすこともありますので、気になる症状がある人は、早めに耳鼻科を受診してください。

予防の基礎知識

副鼻腔炎の予防で大切なことは、慢性化させないことです。急性副鼻腔炎を予防することは難しいですが、慢性副鼻腔炎への進行を防ぐために、急性副鼻腔炎の治療をしっかりと行うことが大切です。重症化することは少ない病気ですが、免疫が低下している場合や、ほかの病気の治療で免疫抑制剤を使っている場合には、感染した菌の活動が活発になります。場合によっては、膿が頭の中にまでまわったり、骨を溶かしたりすることもあるので、悪化させないためにも、初期段階での完治を目指しましょう。

小池 忍

解説:小池 忍
京都府病院
耳鼻咽喉科

関連情報

アレルギー性鼻炎
症状別病気解説 アレルギー性鼻炎
せき喘息
症状別病気解説 せき喘息

※当欄に執筆した医師の所属・役職は、異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

▲ページトップへ