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敗血症

Sepsis

解説:長﨑 洋司 (福岡総合病院 感染症内科主任部長)

敗血症はこんな病気

敗血症は、細菌などの病原微生物に感染し、体がその微生物に対抗することで起こるさまざまな状態のことで、全身性炎症反応症候群ともいいます。

敗血症と診断する指標として、

1 体温38℃以上、または36℃以下
2 心拍数が1分間に90回以上
3 呼吸数が1分間に20回以上
4 末梢血白血球数が12000mm3以上、または4000mm3以下

などが挙げられます。

敗血症と診断されたら、ただちに治療を開始することが重要です。治療が遅れると、全身のバランスが崩れ、低血圧による意識障害などを引き起こしてショック状態となります。その結果、多数の臓器に障害が及ぶ「多臓器不全」となります。多臓器不全になると、数時間で死亡してしまう可能性が高くなります。

死亡率が高くなる要因としては、

1 男性
2 65歳以上の高齢者
3 糖尿病や重い肝臓病の人
4 アルコールを大量に摂取する人
5 がんの人

などが挙げられます。

また、敗血症の原因となる感染症は、肺の急性感染症である「肺炎」と「尿路感染症」が多く、そのほかに「腸管感染症」や「血流感染症」などがあります。男性は肺炎などの呼吸器系が原因となることが多く、女性は尿路感染症などの泌尿生殖系が原因となることが多い傾向があります。敗血症の治療法は、海外のガイドラインを参考にした日本独自のガイドライン(主に成人を念頭に置いたもの)があり、多くの病院が、これに準じた治療を行っています。

早期発見のポイント

持病がある人や免疫抑制剤などを内服している人は、体調が悪い際は我慢せず早めにかかりつけの医師を受診しましょう。特に、敗血症の原因となることが多い肺炎や尿路感染症などに対して、いかに早く診断し、治療するかがカギとなります。熱がありせきを伴う場合や、排尿時に痛みを感じる場合などは、前述の感染症が考えられますので、早めにかかりつけの医師、あるいは近くの病院を受診してください。また症状として、悪寒を伴う発熱はとても重要なサインです。毛布をかぶりたくなるほどの悪寒や、それでも悪寒が止まらない場合は、敗血症である可能性が高いです。このような場合も、すぐに病院を受診してください。一方で高齢者はこのような症状が出にくい場合がありますので、家族や周囲の人が、いつもと異なる様子はないか注意して見てあげましょう。敗血症は、感染症の悪化が原因で発症するので、早めの対応が肝心です。

予防の基礎知識

敗血症の予防策は、細菌やウイルスなどに感染しないための予防策とも言えます。そのためには、日頃から適度な運動を行い、規則正しい生活を心がけることが最も重要です。そして、手洗いやうがいは感染予防の基本です。私たちの手はさまざまな場所に触れることで、病原微生物を自分に運び込んでいるからです。また、感染予防のため、積極的にワクチンを接種することも大切です。例えば冬のインフルエンザが流行するシーズン前に、持病がある人(特に呼吸器疾患、心疾患、糖尿病、透析を受けている人など)が「インフルエンザワクチン」を接種することや、街なか(市中)に最も多く存在するとされ、肺炎を引き起こす原因となる肺炎球菌という細菌に対する「肺炎球菌ワクチン」を接種することで、それぞれの感染症が重症化するのを防ぐことができる重要な対策となります。

長崎 洋司

解説:長﨑 洋司
福岡総合病院
感染症内科主任部長

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