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咽頭結膜熱 (プール熱)

pharyngoconjunctival fever

解説:田中 文子 (横浜市南部病院 小児科部長)

咽頭結膜熱はこんな病気

咽頭結膜熱は、アデノウイルスが原因の感染症です。プール(水)を介して流行することもあるため、「プール熱」とも呼ばれますが、多くは通常の風邪と同様に飛沫感染、接触感染によって人から人にうつります。
咽頭結膜熱を引き起こすアデノウイルスには1型、2型、3型、5型、6型、7型などがあり、このうち3型による感染が最も多いと言われています。咽頭結膜熱は一年を通して発症しますが、特に7~9月に患者が増えます。1~5歳の幼児がかかりやすいですが、成人でも発症することがあります。ウイルスの潜伏期間は5~7日と比較的長く、突然の発熱で発症し、高熱が3~5日ほど続きます。このほかに、喉の痛みが現れ、目の充血や目やに(眼脂/がんし)もみられます。治療は対症療法です。
年によっては7型が流行することがあり、基礎疾患があると重症の肺炎や脳症を起こしたりする可能性があります。ただし、通常行われている迅速検査ではこれらの型の区別はつかないので、経過を注意深く観察しましょう。

早期発見のポイント

咽頭結膜熱の典型的な症状は発熱と咽頭痛、目やに(眼脂)などです。幼稚園、保育園では流行し始めると保護者にお知らせを出すところが多く、その時期に急な発熱があれば咽頭結膜熱の可能性があるので、病院を受診することをお勧めします。
アデノウイルスによる感染症では、口の中(咽頭や扁桃)の所見が比較的はっきりみられることもあり、扁桃腺に白い膿がついている状態が確認できる場合があります。また、扁桃腺が腫れるため、いびきをかくこともあるので、その場合はかかりつけの医師に相談してください。また、アデノウイルス感染症では消化管症状も少なからず現れるので、下痢などの症状がみられる場合も咽頭結膜熱の可能性があります。

予防の基礎知識

咽頭結膜熱の感染経路は飛沫感染、または手指を介した接触感染です。したがって、咽頭結膜熱が流行している時期は、まず流水と石けんによる手洗い、そしてうがいを忘れないことが大切です。タオルなどは感染者と共有しないようにしてください。発熱や咽頭痛などの症状のある時は、プールなどには入らず、自宅でゆっくり休養しましょう。プールではビート板の共用は避け、プールの後はシャワーを十分浴びます。さらに、目をしっかり洗い、うがいをしましょう。アデノウイルスは感染力が強いウイルスですので、徹底した予防対策を心がけることが大切です。

田中 文子

解説:田中 文子
横浜市南部病院
小児科部長

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