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百日咳

Pertussis

解説:千葉 高正 (新潟県済生会三条病院 小児科)

百日咳はこんな病気

百日咳菌という細菌が、飛沫(くしゃみ、咳、痰など)感染および接触感染することで起こる病気です。咳が続くことで顔が真っ赤になり、その後息を吸い込む時に笛を吹くような音が出ます。

ワクチンを接種していない新生児や乳児では、無呼吸やけいれんを起こしたり、肺炎や脳症などの重症な合併症で亡くなることもあります。
ワクチン接種を受けることで、小児の患者さんは減ってきていますが、最近ではワクチンによる免疫効果が弱くなった小中高生や大人、高齢者の患者さんが増えています。百日咳と判断できるわかりやすい症状がないために、咳が長引いても気づかず、赤ちゃんに感染してしまうケースが問題となっています。

全国約3000ヶ所の小児科定点医療機関からの報告によると、百日咳累積患者数は2011年で4396人、2012年 4087人、2013年 1663人となっています。

早期発見のポイント

発熱を伴うことはほとんどありません。
病気によりいろいろな咳があります。コンコンと痰を伴わない乾いた咳や、ゴホンゴホンと痰を伴う湿った咳、声の嗄れた犬が吠えるような咳、オットセイの鳴き声のような咳......など、様々な表現がされます。百日咳は、乾いたコンコンコンコンコン......と息をつぐ間もない連続的な咳き込みが続き、息を吸う時にヒューと笛が鳴るような音がします。この発作性の咳を繰り返すことを「レプリーゼ」と言います。激しい咳のため、目の充血やまぶたの腫れ、咳の後に吐いてしまうこともあります。夜に咳が多いことも特徴です。

血液検査では白血球の数が多く、その中でもリンパ球が非常に多くなります。咳が出てから4週間以内であれば、鼻咽腔の培養検査で確定診断が可能です。
しかし、ワクチンを受けている場合、特有な発作性の咳ではなく、咳が長引くだけのこともあります。遅れると新生児や乳児に感染する危険がありますので、1~2週間も咳が長引く、熱がなくても夜間の咳が多い、咳と一緒に吐いてしまうなどの症状がある場合は百日咳を疑い、子供は小児科、大人は呼吸器内科を受診しましょう。

※鼻咽腔の培養検査:鼻の奥に細い綿棒を挿入して粘膜を採取し、細菌を培養することで百日咳菌の有無を調べる検査

予防の基礎知識

日本では、1981年(昭和56年)以降、世界に先駆けて副作用の少ない精製ワクチンが使われるようになりました。ジフテリアと破傷風を含む三種混合ワクチンは定期接種となり、2012年(平成24年)11月からは不活化ポリオワクチンを混合した四種混合ワクチンが、生後3ヶ月から接種されています。0歳時で3回接種後、1歳になってから4回目の追加接種があります。ただし、ワクチンを受けてもかかる人が増えているため、今後10代でのさらなる追加接種が検討されているところです。
治療としてはマクロライド系の抗菌薬が使われます。しっかり内服して除菌することが、周囲への感染予防にもなります。

千葉 高正

解説:千葉 高正
新潟県済生会三条病院
小児科

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