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熱中症

Heat Stroke

解説:十河 剛 (済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長)

熱中症はこんな病気

人の体は、36~37℃の範囲で体温が調節されています。体温が37℃を越えると、自律神経の働きで末梢血管が拡張し、皮膚の血液量を増やして熱を放出しようとします。また、汗を多くかくことで、汗の蒸発に伴って熱が奪われ、体温が低下します。暑い環境で体内にこもった熱を放出できなくなると、体温が上昇し体調に異変が生じます。これが熱中症です。

熱中症は、こうして体温を調整する機能がコントロールを失い、体温が上昇してしまう機能障害ですが、炎天下ばかりでなく、室内でも起こり得ます。

熱中症は症状によって3段階に分類されています。
I度(応急処置で対応できる軽症)
 立ちくらみ、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗
 立ちくらみは脳への血流が瞬間的に不充分になって起こります。

II度(病院への搬送を要する中等症)
 頭痛、不快な気分、吐き気・嘔吐(おうと)、倦怠感・虚脱感

III度(入院して集中治療が必要な重症)
 意識障害、痙攣、手足の運動障害、高体温
 意識障害を起こすとうわごとや意味不明のことを言ったりします。

早期発見のポイント

次のような症状は、熱中症の危険信号です。

・高い体温
・汗をかかない、皮膚が暑い
・頭痛
・めまい、吐き気
・足がつる

また、次のような人は比較的熱中症にかかりやすいので注意が必要です。

・脱水状態の人
・高齢者
・肥満者
・衣服を着こんでいる人
・普段運動をしていない人
・暑さに慣れていない人
・病気の人、体調の悪い人
・睡眠不足の人
・過労の人

特に、高齢になると暑さを感じにくくなり、また汗をかきにくい、のどの渇きを自覚しにくいといったことも重なって、気づかないうちに熱中症になりやすく、重症化する可能性が高いので注意が必要です。

予防の基礎知識

熱中症やそれに近い症状かなと思ったら、風通しのよい日陰に移動し、屋外であれば濡れたタオルを体中に当ててうちわなどで扇ぐ、室内であればエアコンや扇風機をつけて体を冷やします。衣服を脱ぎ、体から熱が放散するように促します。さらに、首すじ、腋(わき)、脚の付け根に氷嚢(ひょうのう)などを当てて、皮膚の直下を流れている血液を冷やします。上昇した体温をできるだけ早く下げ、水分を補給することが重要です。水分補給には、糖分と塩分を適度に含む経口補水液が効果的です。 脈が触れにくい、顔色が悪いなどがある場合には、足を頭より高くあげます。

熱中症予防のポイントは次の通りです。

・暑い時間帯は外出を控える
・直射日光を避ける
・服装を工夫する
・のどが渇いてなくてもこまめに水分補給する
・急に暑くなる日に注意する

十河 剛

解説:十河 剛
済生会横浜市東部病院
小児肝臓消化器科副部長

済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科

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