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外反母趾

Hallux Valgus

解説:水谷 憲生 (横浜市南部病院 整形外科 部長)

外反母趾はこんな病気

外反母趾(がいはんぼし)とは、一言でいえば足の母趾(足の親指)が外側に曲がる病気です。足部全体として縦アーチ・横アーチの低下を伴う扁平足を合併していることがほとんどです。そのため、靴があたる部分や体重がかかる部分に痛みが生じやすくなります。
この外反母趾の原因の一つに、先端が細い靴やヒールが高い靴を履いていることがよくあげられます。このような窮屈な靴を履くと、母趾が外側に曲げられます。この状態が毎日、長時間続くと、筋肉や関節包・靭帯などの伸縮力が悪くなり、関節の硬さ(拘縮)が生じるようになります。こうなると靴を履かない時でも母趾が外側に曲がった状態になり、外反母趾になってしまいます。

外反母趾の治療法

外反母趾の治療法には、手術療法と保存療法とがあります。
手術療法は、昔からいろいろな方法がありますが、内側に突出している中足骨を切って、角度を変えて固定するのが基本的な方法です。形として前足部の幅を狭め、母趾を内側と外側に曲げる腱のバランスを良くします。

保存療法は、靴、装具、運動療法の3つに大別されます。この保存療法は、予防方法とほとんど重複していますので、このあとの「早期発見のポイント」にて説明します。

早期発見のポイント

まずは足の母趾が「く」の字になっていないか確認してみてください。もし、母趾の曲がった角度が気になるようなら、紙の上に立って、母趾の出っぱりの内側に定規を当てて、2本の線を引き、その角度を測ってください。15度以上なら外反母趾です。

外反母趾のチェック方法
外反母趾のチェック方法

予防の基礎知識

外反母趾の予防には、靴の選び方と足趾(そくし/足の指)の運動があります。
靴は、靴先が広く、足趾の運動を妨げない、ヒールは低めにしたものを選んでください。靴先が狭いタイプの靴やハイヒールを履きたいときは、こまめに靴を脱いだり、用途によって履き分けることも大切です。例えば、通勤時、勤務中、勤務後のプライベートな時間などで、靴を履き分ける工夫が必要になるということです。

人は、靴を履いて歩くようになって足趾を使わなくなり、足趾の筋力が弱くなってしまいました。この弱くなった筋肉を鍛え直すには、自分で筋肉を動かして強化するしかありません。
運動の目的は、①母趾のつけねの関節の拘縮予防と除去、②母趾外転筋の筋力強化です。①の最も簡単な方法は、自分の手で母趾を内側に曲げる動作をすることです。お風呂で温めながら行うとより効果的です。
このほかに、有名なホーマン体操があります。床に足を投げ出して座り、両足の内側を合わせます。できれば幅の広いゴムバンドを用意して両母趾にひっかけ、踵を合わせたまま支点にして、足先を外側に回します。ゴムバンドが伸びて、母趾を内側に引っ張るので矯正位に近づくという運動です。

ホーマン体操
ホーマン体操

次に、②の方法としてタオル寄せ運動があります。これは足趾で床に敷いたタオルをたぐり寄せる動作を行うことで、足趾の屈伸と開閉の運動をしていることになります。慣れないうちは、椅子に座ってやってみてください。椅子に座る方法に慣れたら、立って体重をかけてやってみてください。
このほか、単純に足趾を開閉する運動もしてみてください。足趾でグーとパーを交互に繰り返すイメージです。思ったより難しく、目で眺めながらやってもなかなかできないかと思います。

タオル寄せ運動
タオル寄せ運動

最後に、毎日足のケアをしてあげるようにしましょう。一日中、靴を履いて歩いた後は、足趾の運動を忘れずに行うようにしましょう。この足趾の運動を毎日続けるのは、難しいかもしれませんが、長時間、靴を履いた後に運動を行うような習慣がつけば、効果的に外反母趾を予防することができます。

水谷 憲生

解説:水谷 憲生
横浜市南部病院
整形外科 部長

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