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風疹

German Measles

解説:藤野 元子 (済生会中央病院 小児科医長)

風疹はこんな病気

風疹ウイルスに感染することで生じる3日程度の発熱と、同時に出現する全身性の発疹、後耳介部(メガネのつるが当たる部分)や後頚部(首の後ろ)のリンパ節の腫れを主症状とする疾患で、"三日ばしか"と呼ばれています。潜伏期は3週前後で症状は比較的軽く、入院になるようなことはまれですが、大人になってからかかると関節痛が強くなるようです。 "三日ばしか"と言っても発疹の形態は麻疹と違い、癒合(発疹同士がくっつくこと)傾向のない平面的で均一な発赤疹で色素沈着を残しません。風疹の患者さんを見たことがある人なら、「この発疹、このリンパ節の腫れは風疹かも」と推察できますが、多くの場合「何の発疹だろう」と思っている間に病気は終わり、風疹であることに気づけないようです。逆に風疹と診断されても、実は風疹ではなかった、ということも多くあります。

風疹が問題視されるのは、妊婦が妊娠前半の時期に感染した場合、胎児が先天性風疹症候群(CRS)になる可能性があるためです。CRSの3大症状は①先天性心疾患 ②白内障 ③難聴で、生まれた子供は一生ハンデを背負うことになってしまいます。女性が妊娠期に風疹にかからないようにすることが、風疹ワクチンの最大の目的になります。

早期発見のポイント

数年前から主に成人男性の間で流行があり、社会問題となっています。症状自体は軽く、風疹と気づかずに会社に通い続け、会社中に拡散されてしまったようです。

症状が軽い発熱+発疹が、特に会社に勤めている世代の男性に出た場合、風疹を疑って病院へかかることをお勧めします。発疹が出ている間は、飛沫感染で他者への感染力があるため隔離が必要です。

予防の基礎知識

対策には風疹ワクチンしかありません。今の小児は男女ともMRワクチン(麻疹・風疹ワクチン)を1歳時と5~6歳時に接種していますが、かつては女子しか風疹ワクチンを接種していなかった時代があり、会社に勤めている世代の多くの男性がワクチン未接種であることが想定されますので、ワクチンの接種をお勧めします。ワクチン歴・病気にかかった経歴が不明な場合は、血液検査で風疹抗体価(風疹への抗体の値)を調べてからワクチン接種を考えることも可能です。

妊娠中に風疹にかかった覚えがなくても先天性風疹症候群(CRS)の子供が生まれてくるケースがあります。これは妊婦自身の風疹抗体価が陽性であっても低い値で、風疹の感染はしたが発症は免れた(不顕性感染)、しかし体内で増殖したウイルスの影響が胎児に出てしまった、というものです。この事態を防ぐためにも妊娠希望女性は高い風疹抗体価をキープするよう、事前にワクチン接種をすることが必要ですし、何より周囲の男性が風疹にかからないようにすることが重要になってきます。

男性はいつでも風疹ワクチンの接種ができますが、女性の場合、妊娠期は禁忌です。ワクチン接種後も2カ月は避妊が必要ですので、注意してください。 生まれてくる子供にハンデを負わせないよう、大人が気を配りましょう。

藤野 元子

解説:藤野 元子
済生会中央病院
小児科医長

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