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膠原病

Collagenous disease

解説:千布 裕 (唐津病院 副院長兼内科部長)

膠原病はこんな病気

膠原病は、1942年にアメリカの病理学者・クレンペラーが提唱した疾患概念です。全身の複数の臓器に炎症が起こり、フィブリノイド変性と呼ばれる病理組織の状態を示す、一連の疾患群を指します。クレンペラーは、病態の主な位置は結合組織と血管にあると考え、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、関節リウマチ、結節性大動脈炎などの疾患群を「collagenous disease/膠原病(膠原病の膠はコラーゲンを表す)」と呼びました。現在でも、原因は完全には明らかになっていません。喫煙やウイルス感染などの環境要因と、膠原病になりやすい体質が相まって、免疫と炎症の制御に異常が起こり、発症すると考えられています。自己免疫疾患、結合組織病、リウマチ性疾患と呼ばれることも多いです。
症状としては、多関節痛と発熱が多くの疾患に共通して見られます。そのほか、疾患ごとに特徴的な症状を列記すると、以下が挙げられます。

・全身性エリテマトーデス(SLE)
蝶形紅斑(ちょうけいこうはん/鼻から頬にかけて蝶の形に広がる発疹)、日光過敏症、脱毛、口腔内潰瘍

・関節リウマチ
全身の関節の腫脹(しゅちょう/炎症などが原因で身体の組織の一部がはがれること)、疼痛、朝起きたときに関節がこわばる

・強皮症
指にできるソーセージ状の皮膚腫脹、皮膚の硬化、レイノー現象(寒冷刺激や精神的緊張によって、手や足の指が蒼白・暗紫となり、しばらく経つと充血して赤くなること)、指先の皮膚潰瘍、爪床(爪の下の皮膚)の血管拡張

・シェーグレン症候群
口腔内乾燥、結膜乾燥、多発性筋炎

・皮膚筋炎
脱力、ヘリオトロープ疹(まぶたなどに薄紫色の発疹が出る)、ゴットロン兆候(手の指に紅斑が出る)などの皮膚症状


膠原病の治療法

免疫の異常を調節するため、副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制剤、ステロイド大量療法、サイクロファスファミド大量療法、免疫グロブリン大量療法、血漿交換、生物学的製剤などを行います。疾患および病態によって治療法は異なるため、専門医に相談しましょう。

早期発見のポイント

膠原病に共通する症状は、原因不明の関節炎、持続する発熱、易疲労感(疲れやすくなること)です。以上のような症状が持続するならば、膠原病かもしれません。それに加えて、医学解説の項目で挙げたような症状があれば、膠原病の可能性が高まります。さらに、家族に膠原病の方がいる場合、発症のリスクが上がります。家族内発症の確率は、家族内に膠原病がいない方に比べて3.6倍と言われています。さらに、双子だとどちらか一方が膠原病の場合の発症率は、全身性エリテマトーデスでは、一卵性双生児だと30%、二卵性双生児だと5~10%。関節リウマチでは、一卵性双生児だと34%、二卵性双生児だと7%です。このように、家族に膠原病の方がおり、原因不明の関節炎と持続する発熱があり、疲れやすいと感じるときは発症した可能性があるので、病院で検査を受けましょう。膠原病の場合、血液検査でリウマチ因子や抗核抗体などの自己抗体が出現していることが多いです。症状、検査所見の組み合わせで診断がつけられますが、すべての症状が一度に出現するのではなく、時間を置いて出現することもあります。その場合は、診断に時間がかかります。初診時に明確に診断がつかない場合で、膠原病が疑わしければ、専門医の経過観察が必要です。

予防の基礎知識

現在でも原因が明確ではないので、完全な予防は難しいとされています。ただ、関節リウマチについては、糖尿病、喫煙、肥満、歯周病が発症のリスクを高めると言われています。家族に膠原病の方がいる場合は、喫煙は避け、口腔内を衛生的に保つべきでしょう。また、全身性エリテマトーデスでは、紫外線を浴びること、ストレス、ウイルス感染が発症の引き金になると言われています。これも、特に膠原病の方が家族にいる場合は、避けられるものはなるべく避けましょう。

千布 裕

解説:千布 裕
唐津病院
副院長兼内科部長

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