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虫垂炎

appendicitis

解説:村上 英広 (松山病院 内科主任部長)

虫垂炎はこんな病気

虫垂炎は虫垂に起こる炎症性の病気で、一生の間に約7%の人が罹患します。「盲腸を薬で散らした」「盲腸を切った」という話を聞かれたことはありませんか? この場合の「盲腸」は「虫垂」を指し、それぞれ「虫垂炎を薬で治した」「虫垂炎で虫垂を切除した」という意味です。
虫垂は、大腸の一番奥の盲腸という部分にくっついた細長い袋状の臓器で、右下腹部に位置しています。さまざまな原因で炎症を起こし、痛みや発熱の原因となります。ひどくなると、腹膜炎を起こして命に関わることもあります。虫垂炎はどの年齢にも起こりますが、10~30歳代の若い人に多く、小児では重症化しやすいと言われています。
典型的な症状は、右下腹部痛(右の腰骨とおへそをつないだ線の外側3分の1の場所)です。みぞおちからおへその上あたりの痛みから始まり、4~6時間後から吐き気、食欲不振が現れ、そのあと右下腹部痛、発熱と続きます。虫垂炎だと判断するには、痛みが移動することとその順番が重要です。しかし、患者さんの約半数は典型的な症状を示さず、診断が難しいことから、医師の間では「たかが虫垂炎、されど虫垂炎」と言われています。

虫垂の位置 / 虫垂炎

早期発見のポイント

右下腹部に痛みが出た場合、特に最初にお腹の真ん中に痛みを感じたあとに、それが移動してきたときは、痛いところを手で押してみてください。押しても痛くない場合は、便秘症や軽い腸炎の場合が多いです。押して痛みを感じる場合は、虫垂炎の可能性があります。さらに、せきをしたりかかとを落としたり(診断法の項目を参照)して痛みが強くなる場合は、腹膜炎の可能性もあるので治療に急を要します。
また、若い女性の比較的急な持続する下腹部痛では、婦人科系疾患の可能性もあります。いずれにしろ、できるだけ早く病院を受診してください。

虫垂炎の診断法

診断は、診察に加えて、画像検査と血液検査で行います。
腹膜炎を起こしていないかどうかを診断することは重要で、患者さん自身でもできる検査法があるので試してみましょう。単純にせきをしてみる「咳嗽(がいそう)試験」や、つま先立ちから急にかかとを落とす「かかと落とし衝撃試験」の2つがその検査法です。試してみてお腹の痛みが強くなった場合には、腹膜炎が強く疑われるので、できるだけ早く病院を受診してください。
画像検査としては、腹部超音波検査、腹部X線CT検査を用います。それらにより、虫垂が腫れているかどうか、周りにどれくらい炎症が広がっているかを調べます。さらに血液検査の結果も総合して治療方針を決定します。
治療の基本は手術ですが、軽症の場合には抗生物質による治療で改善する場合もあります。

村上 英広

解説:村上 英広
松山病院
内科主任部長

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