ホーム >  症状別病気解説 >  感染症による夏風邪に注意 夏に多い子どもの病気

感染症による「夏風邪」に注意  夏に多い子どもの病気

夏に子どもがよくかかる「夏風邪」と呼ばれるものには、ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎の主に4つがあります。日常生活で気を付けていれば予防できることもあるので、子どもを夏風邪から守るために、特徴や対処法を学びましょう。

夏に多い子どもの病気

夏に蔓延する2大ウイルス

夏に蔓延する2大ウイルス

夏に多く流行する主な病気は、エンテロウイルスとアデノウイルスというウイルスが原因で発症します。ヘルパンギーナと手足口病は、エンテロウイルス属のコクサッキーウイルスが原因で発症し、咽頭結膜熱(プール熱)と流行性角結膜炎の原因はアデノウイルスです。また、アデノウイルスには約50種類のタイプがあり、咽頭結膜熱になるものもあれば、眼が赤くなって目やにが出るだけのもの、さらには胃腸症状として現れるものもあります。くしゃみなどの飛沫や接触などによって人から人に伝染し、どの疾患も特徴的な症状が現れますが、命に関わることはほとんどありません。特効薬はなく、治療は症状に応じた対症療法が中心です。

病名 かかりやすい年齢 原因 症状
手足口病 2~3歳 エンテロウイルス ・38~39℃の発熱
・手のひら、足、口の粘膜などに5~7mmの小さな水疱
ヘルパンギーナ 0~4歳 エンテロウイルス ・発熱
・上あごの奥に周囲が赤くなった1~数mmの小さな水疱
咽頭結膜熱
(プール熱)
1~5歳 アデノウイルス ・発熱
・咽頭痛
・扁桃腺の腫れ
・目やに
流行性角結膜炎 1~5歳
※成人も含め、幅広い
年齢で発症します
アデノウイルス ・結膜の浮腫(むくみ)、充血
・眼瞼(まぶた)の浮腫
・(サラサラとした)目やに
・涙

主に夏だけ発症する手足口病とヘルパンギーナ

いずれも発熱と口の粘膜にできた水疱、のどの痛みがみられます。手足口病ではさらに手や足、おしりなどにも水疱ができます。感染者の唾液、痰、鼻水から直接、あるいは触れた手から、ウイルスが周囲の人の口やのどの粘膜に運ばれることによって感染していきます。便の中にも存在するので、おしめを替えるときなどに、手に付着して感染を拡大することもあります。

もっと詳しく→ 手足口病ヘルパンギーナ

さまざまな症状が現れる咽頭結膜熱と流行性角結膜炎

感染力は強く、保育園・幼稚園の中で次々とうつることがあります。一年を通して感染する病気ですが、夏に患者が増加します。ウイルスのタイプによって発熱、咽頭炎、胃腸炎、結膜炎、発疹など、さまざまな症状を引き起こし、同じタイプであっても、患者によって咽頭炎が強く出たり、結膜炎が強く出たりすることがあります。

もっと詳しく→ 咽頭結膜熱流行性角結膜炎

「夏風邪」のポイントは...

ポイント1

突然の発症も時間とともに回復

症状はさまざまですが、休養と栄養、水分をとっていれば自然に回復していきます。過度に心配せず、かかりつけの医師を受診しましょう。

ポイント2

感染を広げない予防対策を徹底 

飛沫感染、接触感染を防ぐためには、うがいと手洗いが基本です。水泳の前後には必ずシャワー、洗眼を。タオルの共用は避けましょう。

ポイント3

病気が回復しても油断は禁物

症状は数日~1週間で自然治癒しますが、ウイルスは、しばらく便などの排泄物、家具の表面などに残っているので、要注意です。

気をつけるべきは感染症だけではありません ~熱中症対策を忘れずに~

気をつけるべきは感染症だけではありません ~熱中症対策を忘れずに~ 気温が高くなる夏は、熱中症の危険性も高まります。言葉が話せない乳幼児は、喉が渇いてもそれを訴えることができません。ベビーカーに乗せて外出するときは、注意が必要です。地面近くの温度は高くなっているので、できるだけ日陰を通行するようにしましょう。また、子どもは喉が渇くのも忘れて遊びに夢中になります。脱水に十分注意して、こまめに水分補給をするように気をつけてください。ぐったりした様子や嘔吐、筋肉がつるなどの症状がみられたときは、熱中症の可能性が強いので、体を冷やしてすぐに病院を受診しましょう。

症状別病気解説今回紹介した病気をもっと詳しく知りたいときは「症状別病気解説」へ 気になる病気について、早期発見のポイント・予防法などを一つずつ解説します。

手足口病ヘルパンギーナ咽頭結膜熱流行性角結膜炎熱中症

田中 文子

解説:田中 文子
横浜市南部病院
小児科部長

※当欄に執筆した医師の所属・役職は、異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

▲ページトップへ