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走り始める前に!持病がある人のランニング

ランニングが体に与える影響

「ランニングは体にいい」というのは誰でも聞いたことがあると思います。しかし、実際、どんな効果があるか、知っている人は少ないのではないでしょうか? 一般に、

・血圧を下げる
・悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす
・血糖値の改善
・認知症の予防

しっかり準備して走りましょう
しっかり準備して走りましょう

など、ざっと挙げただけでも、体によい影響をこんなに与えてくれます。

ランニングは体や心臓への負荷が小さく、筋肉を伸ばしたり縮めたりするので健康維持のための運動には最適です。ただ、負荷が小さいといっても、走るペース(強度)については、一人ひとりの筋肉量や心肺機能に違いがあるので、無理をせず、自分にあったペースを設定することが大切です。例えば、負荷心電図(トレッドミル)などを行っている医療機関に相談し、自分に最適な強度の運動を調べてもらえば、予期せぬケガの防止や病気の予防につながります。

持病がある人のランニング

持病がある人がランニングを始める場合は、不安もあるでしょう。基本的に、運動は、急激なものでなければ体にいい影響を与えてくれます。下記に各疾患の注意点をまとめてみました。該当する症状を持っている人は、しっかりと準備をしてから走りましょう。

① 循環器系の病気

狭心症、心筋梗塞、肥大型心筋症などの疾患を抱えている人にとっては、高負荷の運動は心臓にかかる負担が大きいので注意が必要です。基本的に運動は勧められませんが、かかりつけの医師と相談し、自分にあった運動の負荷を見つけていくことは可能です。ただし、マラソンなどへ競技として参加することはお勧めできません。軽いウォーキングなどから、ゆっくりと自分のペースで行うようにしましょう。
高血圧の疾患を抱えている人は、前日や当日に血圧を測り、状態が安定していることを確認してから走りましょう。ランニングには血圧を下げる効果があるので、血圧のコントロールにもいい影響を及ぼします。悪性高血圧まで状態が進んでいる場合には、まずは医師の診断と適切な治療を受けて、状態を安定させることが最優先になります。

病名 ランニング時のリスク ワンポイントアドバイス
狭心症
心筋梗塞
心臓の発作 ・ランニングなどの運動は控える
・症状が落ち着いているときは、かかりつけの医師と相談し、可能な範囲の運動
肥大型心筋症 不整脈、突然死 ・家族や親せきに突然死や心臓病の人がいないかを調べ、心臓のエコー検査を受ける
高血圧 悪性高血圧 ・運動の前日、当日に血圧を測り、安定しているか確認してから運動
・上の血圧170㎜Hg以上は危険。運動は見送る

※必ずかかりつけの医師に相談してから始めましょう

② 代謝系の病気

糖尿病、痛風、肥満、脂質異常症などの疾患を持っている人も、運動により血糖値や尿酸値のコントロールがしやすくなるといわれているので、ランニングを取り入れていきましょう。ただし、どの疾患についても、運動をするのは症状が安定しているときに限ってください。例えば、痛風に関しては痛みや腫れがあるときに運動をすると、さらに症状を悪化させてしまう危険性があります。また、これらの病気は動脈硬化のリスクを含んでいるので、本格的にランニングを始める前に心臓の検査を行うようにするとよいでしょう。

病名 ランニング時のリスク ワンポイントアドバイス
糖尿病
動脈硬化 ・血糖値が安定していれば、オススメ
・心臓や血管の検査を行ってから運動
痛風 痛みの悪化 ・痛みがある場合には、運動は控える
・適度な運動は尿酸値を下げるが、過度の運動は逆効果なので注意
肥満 動脈硬化 ・運動をすることで、体重コントロールもうまくいくし、食欲を抑える効果も
・心臓や血管の検査を行ってから運動
脂質異常症 動脈硬化 ・悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げるので、運動はオススメ
・心臓や血管の検査を行ってから運動

※必ずかかりつけの医師に相談してから始めましょう

ランニング直前のチェックポイント

マラソン大会などを目指して一生懸命頑張っている人も少なくないと思います。しかし、あくまでも目的は、自分の健康維持・改善なので無理は厳禁です。走り始める前に、次のチェックリストを使って、自分の状態をしっかりと把握し、運動できるかどうかを見極めましょう。

〈直前セルフチェック10か条〉

1 熱がある
2 体がだるい
3 昨夜の睡眠が不十分
4 食欲がない
5 下痢をしている
6 頭痛や胸痛がある
7 関節の痛みがある
8 過労がある
9 前回のスポーツの疲れが残っている
10 今日のスポーツに参加する意欲が十分ではない

ひとつでも当てはまる場合は無理をせず、ランニングなどの運動は控えましょう。また、持病がある方は、事前にかかりつけの医師に相談し、その日、運動が可能かどうか判断するとより安全です。自分の健康状態をしっかり把握して、安全に楽しく走りましょう。

亀山 智樹

解説:亀山 智樹
富山病院
副院長・内科主任部長

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