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尾野 真千子 さん

尾野 真千子 さん
1981年、奈良県出身。河瀬直美監督に見出され、97年『萌の朱雀』で映画主演デビュー。2007年に主演した同監督作品『殯(もがり)の森』は、カンヌ国際映画祭のグランプリに輝く。ヒロインを務めた朝の連続テレビ小説『カーネーション』のほか『最高の離婚』などテレビ話題作にも多数出演。公開待機作は映画『起終点駅 ターミナル』など。

シワ一本でも、芝居に活かせる 女優になる。

『殯の森』や『カーネーション』のヒロインなど、記憶に深く残る演技で魅せてくれる尾野さん。新作で難役に挑んだその想(おも)い、そして最近味わった極限の地での"至福体験"とは。人気演技派女優の魅力に迫りました。

 心の痛みを相手に伝えるのは、難しい。
 「本当に痛みを感じて演じないと、観る人にリアルに伝わらない」と言い切る。
 子を傷つけてしまう母親を演じた『きみはいい子』。娘を叩(たた)く場面では、陰で延々と自分の腕を叩き続けた。「とても痛かった。でも母子の痛みを伝えたいから、叩くフリはできなかった」
 問われると、じっと考え、真摯に言葉を紡ぐように語る。同作のテーマは「ささやかな幸せ」。最近幸せを感じたことを聞くと、「ロケで登ったエベレスト」と微笑(ほほえ)んだ。
「地上5千メートルの世界で、体験したことがない感動と生きている幸せを感じて。あの凄(すご)さは......ああ、やっぱり言葉にするのは無理(笑)。いつか頂上にチャレンジしたい」
 演技はその時々の直感を大切にしている。目指すは「顔のシワ一本でも、芝居に活(い)かせる女優」だ。
 子どもの頃は病弱だった。入院中は死ぬほどつらくて夜中に泣いて、看護師に慰めてもらった。当時の主治医はいまも体調を気にかけてくれている。
「あのときがあるから、いまの私がある。いつか病院にまつわる役を演じることで、恩返しをしたいですね」

文:浜口恵美子 写真:吉川信之(2015年6月号)
ヘアメイク:稲垣亮弐
スタイリスト:甲斐田亜希(BRÜCKE)
衣装協力:ADIEU TRISTESSE(アデュートリステス) 03-6861-7658

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『きみはいい子』

『きみはいい子』

幼い頃に親に暴力を振るわれたトラウマによって、自分の子どもを傷つけてしまう母・雅美。そして問題に真正面から向き合えない新米の小学校教師。大人と子どもにまつわる現代の問題をはらみながら、人と人とのつながりから生まれるささやかな「しあわせ」を描く、再生と希望の物語。

6月27日(土) テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督:呉美保/出演:高良健吾 尾野真千子、池脇千鶴、高橋和也、喜多道枝、富田靖子ほか/原作:中脇初枝『きみはいい子』(ポプラ社刊)

©2015「きみはいい子」製作委員会
http://iiko-movie.com/


尾野 真千子 さん

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